私たちがつくっているのは、人力や電力を使うことなく圧力を制御する「自動自力式バルブ」。高い技術と奥深いノウハウを必要とする分野のバルブです。ビジネスにおいて存在感のある会社とは「必需性」と「希少性」を併せ持つ会社。つまり「未来永劫、枯渇しないニーズに応えているか」「誰もがマネできないレアな技術であるか」。ビジネスにおける私たちの意思決定の基準は、このふたつです。ヨシタケは、この自動自力式バルブという分野を選択し、経営資源と知見を集中させることで「ヨシタケさんしかいない」と言われるようになりました。
蓄えた資金をもとに、そのときどきで利益が出そうなものに手をつけていくことだってできました。しかし、私たちはいつも自問自答してきました。「これは、ヨシタケならではなのか?」。もちろん、かつては「バルブ」という製品に大手が参入しようとしたこともありました。しかしヨシタケがブレることなく独自性を追い求め続けた結果、そのノウハウは誰も追いつけないものとなり、かつ設備投資額も大きいバルブの製造の新規参入を諦めていったのです。そして、ヨシタケは国内シェア2位となり、28年連続黒字決算という盤石な基盤を築くことで「健全な挑戦」を行える基盤ができあがりました。