挑戦の結果は、2つしかありません。「成功」か「失敗」です。失敗の可能性がない挑戦は、本当の挑戦とは言えません。ヨシタケは盤石な経営基盤・安定した利益のもとでおこなわれる「健全な挑戦」ができる会社。一人ひとりに大きな裁量を与える。若いうちからどんどん任せる。失敗しても揺らがないビジネスモデルと経営基盤がヨシタケの「挑戦する風土」をつくりあげました。
ヨシタケの合言葉。それは「現状維持は退化と同じ」。常に挑戦を続けてきたからこそ、安定した基盤が整えられたとも言えます。
30年前から、グローバル。
約30年前の1989年にタイ工場を設立。まだ世の中に「グローバル化」という言葉が一般化していない時代に、いち早く海外に進出しました。ヨシタケの世界進出はさらに加速し、現在、海外で64の代理店と提携し、世界28カ国に製品を届けています。
フェア精神の株式公開。
株式公開の検討を始めた当時、売上高30億円、経常利益2億円足らずの典型的な中小企業でした。業界の中でも株式公開をする企業は20年間ほど途絶えている状況でした。ヨシタケの企業理念は「フェアビジネス」。顧客や社員に対して透明性を保つというフェア精神の表れでした。
「鍛冶屋」のイメージを覆す、
カラーの製品カタログ。
当時のカタログは、世界中を見渡してもモノクロ一色。ただ図面を貼り付けただけのものがほとんど。そんな中、自社製品への愛着と「お客様に使ってほしい」という気持ちを表現するために業界初のカラー刷りカタログを作成。国内のみならず、海外からものすごい反響があり、受注が殺到した。
工場を半分失っても、
ボーナスは満額支給。
タイで発生した大規模な水害で当社のタイ工場は一瞬にして水の中に沈みました。2つの工場のうちの1つを突如失うという大打撃を受けた年でも、ボーナスは満額支給。それは「天災は社員に責任は一切なく、非常事態のときこそ例年以上に頑張ってくれた」という想いがあったから。取引銀行などから「常識ではありえない」という声もあがりましたが、非常識なことに挑むのもヨシタケらしさのひとつです。
ロシア、ブラジル、インド。
他メーカー未踏の地へ。
ただ売るだけではおもしろくない。「他者の製品を自分の力で負かしたとき、本当のグローバル化と言える」と息巻く営業がいます。現在は、ASEAN諸国が主な供給先ですが、これからはロシア、ブラジル、インドなど他メーカーが進出していない国にも進出していこうと目論んでいます。
香港マーケットの最大の
難敵は、
「海」だった。
香港のユーザーに納品したバルブに問題が起きました。クライアント先で使われていた水の供給源は海。海水を使えば腐食するのは当たり前のことですが、「この問題を解決しないと香港のマーケットは成立しない」と問題解決に奔走。その結果、10年前は2000万円に満たなかった香港のマーケットが、現在は1億円を超えるまでに成長しました。
モンスターマシンを操る
機械加工スタッフ。
国内に10台もないと言われる大型加工機械。水門の上流や大型ボイラーに使用するバルブを加工するもので、人が入れるくらいの大きさ。ひとつのバルブに費やす素材の値段が高いので、加工ミスは許されません。この類い稀な機械に果敢に挑み、自分のモノにした機械加工スタッフがいます。
たとえ価格が3倍でも、
売ってみせる。
インドにはバルブメーカーが数多くあります。それも、金額は日本製の3分の1程度。インドでヨシタケのバルブを売ろうと思えば、何をするべきか。売る市場を変えてみる。日系企業にターゲットを絞ってみる。など各国の営業担当が、国ごとに戦略を立てて実行しています。
トップに手が届く位置だから、
おもしろい。
ヨシタケの自動自力式バルブは、国内トップシェアに迫る勢い。だからこそ、どうやって勝てるかを考えるのがおもしろい。「トップに立ったとき、自分の力量を実感できる」「世の中がつける順位をひっくり返したときが最高に気持ちいい」。そう言って挑戦を続ける営業がいます。