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Fluid Control Engineering

流体制御エンジニアリング

蒸気輸送について:蒸気ドレン排出の必要性

ドレン排出の必要性とその方法

蒸気輸送管中のドレンは、放熱によって生じるもののほかに、ボイラーが加熱器を持っていないときには、 ボイラーから出ていく蒸気は普通2%の湿りを持っています。
またボイラーからのキャリーオーバーもあります。
したがってボイラーを出た直後蒸気ヘッダーで十分ドレンを除去するとともに、使用目的地に達するまでに、なるべく速やかにこれを除去しなければなりません。

輸送管内のドレンは管底に溜り、高速度で流れる蒸気によって蒸気の流れ方向に押されます。
ドレン除去が不十分であると管底のドレンの波がだんだん高くなり、ついには管の頂点に達し、ピストン状になったドレンが蒸気に押されて高速度で進行します。
これが弁や管曲り部に出会うと衝突して大きな音と振動を生じます。
この現象をウォーターハンマーと呼んでいますが、これは騒音ばかりでなく継手類のゆるみを生じさせて漏れを生じたり、弁を破壊することもあります。
ウォーターハンマーを防ぐには十分なドレン除去が必要です。

輸送管内のドレンを除去する場合、蒸気を高速度で流れている点が普通の蒸気使用装置のドレン除去の場合と異なります。
ドリップ管を主管の底に取り付けただけでは、ドレンは高速蒸気のためドリップの入口を素通りしてドリップ管には流れ込みません。
必ずドレン溜りを設けてドレンを捕らえる必要があります。

バルブ、減圧弁、管曲り部があると、せっかく底にたまっていったドレンが飛散して、除去が困難になります。
これらの部品の前では、必ずドレン除去を行なわなくてはなりません。

ドレンは蒸気流れに引きずられる傾向がありますが、ドレンは蒸気にくらべて比重が大きいので、蒸気が方向を変えるとき、ドレンは慣性によって、いままでの方向に直進を続けます。
特に管曲り部では、この慣性を利用してドレンを集めることが大切です。
障害物のない直線管路でも約50mおきにドレン除去、すなわち排水しなければなりません。

過熱蒸気輸送管では、管壁が飽和温度以下にならないので運転中はドレンを発生しません。
しかし始動時には必ず発生するので、やはりスチームトラップを設けなければなりません。

輸送管のドレン除去

輸送管のドレン除去図


ウォーターハンマーの発生

ウォーターハンマーの発生図

動画

動画(ウォーターハンマー)

(1.95MB)

ウォーターハンマーの実際の映像です。

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